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ヴェネツィア旅行記
〜モンテヴェルディの足跡を訪ねて〜

第2・3日(2月 11・12 日)
伊藤泰世・杉本悠樹

 蕩々たる運河をたたえ、街中に水路が張り巡らされた、水の都、ヴェネツィア。 街の守護聖人、聖マルコの名を冠した、街のシンボル、サンマルコ寺院で、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」の初演が行なわれた。

ここで我々は、モンテヴェルディの足跡の、重要な部分を辿ることになるわけだが、

とりあえず、

腹が減ってはなんとやら。

―ヴェネツィア 食い倒れ記―

 イタリアと言えば、amore、cantare、mangiare のお国である。日本語に訳せば 愛と歌と食 ということだ。今回の旅は 愛も(多分)、歌も、食も充実した旅であった。歌については他の旅行記にたくさん書かれていることと思うので、ここでは食、特にヴェネツィアの食について書いてみようと思う。
 (愛については…それぞれの人に尋ねられたし。)

 ■2月11日 夕食

 ヴェネツィアに着いてみんなわくわくしている。サブリナさんが地元のおいしい店へ連れて行ってくれた。 曲がりくねった運河に沿って迷路のような細い道を くねくね進んでいくと、やがて店が見えてきた。もうすでに 1人では帰り方がわからない。というかサブリナさん以外 誰もわからない。

 出てきた料理は 名物のイカ墨スパゲッティとかリゾットとか魚介の料理盛り合わせとかが とにかくたくさん。 鰯がおいしかった。さすが海辺の町。それに普通の白ワインがさっぱりきりりとして これまた魚料理によく合うじゃないですか。 イタリア、それはワインがうまい国! 来てよかった〜 \(*´∀`*)/。

 みなさんほどよく酔いがまわったところで、ここでも歌を歌うことに。すっかりご機嫌で「鴎」を熱唱! 店に入ってきた花売りさんもびっくり。ナニコノジャポネーゼー!?(~0~)

 最後に飲んだグラッパはワインの搾りかすから作った蒸留酒らしい。かすを利用するとはなかなかやるなイタリア人…。 名古屋人としてはなにやら親近感を感じる。しかしそれは大人の味だったので、お子様な私には ??な酔っ払い感しかわからないまま ヴェネツィア一夜目は更けていった。

 

 ■2月12日 朝食

 イタリアのホテルの朝食はどこも同じような感じだ。パン、ヨーグルト、ハム、チーズ、オレンジジュース、牛乳とかが とりあえず並べてあって、飲み物だけ何がほしいかを言うと持ってきてくれる。でもこの朝食がなかなかおいしい。 まずパンが日本のパンと違う。硬いのだが、ぱさぱさというわけでもなく、おいしい。水が硬水だからなのか? あとのヨーグルト、ハム、チーズなども歴史があるからか、日本のものより断然うまい。ハムチーズがこれほど幸せな組み合わせだったのかと感動する。

 飲み物はカプチーノを頼んだが、隣の席にいたイタリア人が「チョコラータ」と注文するのを聞き逃さなかった。チョコラータ・・・ココアのことか!むふふ。 翌日さっそくチョコラータを頼んでみた。大きなポットになみなみココアが入って出てきた。今日もまた おいしいイタリア語を一つ覚えてしまった。

 

 ■2月12日 昼食

 サンマルコ大広場の近くで昼食をとることになったが、あまり時間に余裕はない。こんなとき心強いのはそこら中にあるバールだ。 バールは喫茶店に近いが、基本的に席はない。カウンターに菓子パンやパニーノなどが並べてあって、飲み物も頼めるといった雰囲気の店だ。お酒も置いてある。 今回は大広場の近くのバールで パニーノとカルツォーネを買うことにした。パニーノは具をパンで挟んだり巻いたりしてあるもので、カルツォーネはパンの中に具を入れて焼いたものだ。 パニーノはハムと野菜を巻いたもので、ハムの塩味が効いていて満足。カルツォーネは中にほうれん草チーズが入ったもの。日本ではあまり見ない組み合わせ。でも意外とおいしい。

 サンマルコ大寺院のすぐ横に座ってパニーノをかじっていると、カーニバルの衣装に身をつつんだ人たちが歩いていく。中世のお姫様の格好をした女の子なんかは本当にかわいい。 西洋の子どもは天使のようにかわいいのに、日本の子どもは何だか小憎たらしいと思うのは私だけだろうか。。。

 

 ■2月12日 夕食

 「夕食は、ピザの予定です」
 嫌な予感はしていた。
イタリアのピザは、とにかく量が多い。安くても、宅配ピザのLサイズに匹敵する量を余裕でぶちかましてくる。
すなわち、皆食べきれなくなり、うちら比較的若い者(皆さん若いですけど)に大量に回ってくるのではないか。

果たして、それは当たった。

自分たちのテーブルにあるものを食らい、満足していると、ほとんど全ての他のテーブルから回ってくる、小麦粉の切れ端。
 こちらのピザは、日本のそれに比べて、油が少なく、塩がきつい。そのため、胸焼けして食べられない ということにはなりにくいが、後半戦に入ると、高血圧と言う言葉が頭の中から消えなくなる。いや、おいしいけど。
 唯一、塩を使っておらず、トマト、モッツァレラ、水菜という組み合わせの、サラダ状のピザが、我らピザ戦隊の唯一の救い、心のオアシス。ああ、生野菜うまい。

 よしっ、最後の一切れ、・・・完食!
 勝利の瞬間。ピザ戦隊は勝利をたたえあう。

 すると、奥のテーブルにピザが運ばれてくる・・・?
 「頼んでいたピザが来てなかったんだよね」

 なんですと!? みんなもう食えないから こっちに回って来たのではないのですか!?

 来たピザを食う人々。え、少し残しているけど、まだいけたんじゃないですか。

 食欲は No Border 。言っててわけわからない。
 


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