第75回 定期演奏会

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モンテヴェルディ連続演奏シリーズ Vol. 75

 


◆ C. モンテヴェルディ  Messa a quattro voci da cappella (SV190) 
  (4声のミサ)
 
◆ 新実 徳英 Salve Regina G 混声合唱のための (A.E.92) 
  (めでたし、元后よ)
 
◆ 萩 京子 混声合唱とピアノのための 生まれたよ ぼく
(詩: 谷川 俊太郎 生まれたよ ぼく、 走る、 くらやみ
せんそうしない、 ありがとう
  〜 ア ン コ ー ル 〜
◆ 新実 徳英
◆ 萩 京子
◆ C. モンテヴェルディ
 
ぶどう摘み  (混声合唱曲集「ぶどう摘み」より)
ぼくが小鳥に(五つの混声合唱組曲「飛行機よ」より)
Cantate Domino, canticum novum 
 




指揮
ピアノ
合唱

: 當間 修一
: 木下 亜子
:京都クラウディオ・モンテヴェルディ合唱団

Flyer; the 75th Concert 【PDF版ファイルは、こちら】( 両面:2.0 MB )


  • 日時 : 2025年 3月22日(土)
         開演 … 16時00分(開場 … 15時30分)

  • 会場 : カトリック衣笠教会 (北区衣笠御所ノ内町4)
    ( 詳しくは、下記《 交通のご案内 》を御覧ください。)

- 入場料 -
  《 前売券 》   《 当日券 》 
一般¥2,500 ¥2,700 
学生¥1,500 ¥1,700 
高校生以下¥  800 (前売と同額)


《 交通のご案内 》= 京都市バス =('24年11月 調べ)
 西大路四条 から
(阪急・西院駅) 
205 系統『金閣寺道』下車
 西大路通を北へ:徒歩1分
北大路バスターミナル から
(地下鉄・北大路駅)  
204, 205
102, M1 
宇多野, 御室仁和寺 から
  立命館大学前 から
59
12, 59
   二条城前   から
同志社前, 烏丸今出川 から
12
59
『金閣寺道』下車  【 注 i. 】
 北大路通を西へ:徒歩1分
  1. 三条京阪(始発)・四条河原町から 12/59系統のご乗車は、大回りで時間が掛かります。
    また、この系統の『金閣寺道』停留所は北大路通の東に離れておりますのでご注意下さい。
  2. 12/59 系統は『金閣寺前』にも止まりますが、徒歩が遠くなりますので、
    『金閣寺道』停留所の方をご利用下さい。

Map KiNuGaSa church





演奏にあたって     音楽監督・常任指揮者 当間修一 

音楽が好きだけれど「合唱」は聴かない、という方が結構いらっしゃるようです。
言葉のない音楽、「音響」を好まれるのでしょう。その中でも「オーケストラ」は根強い支持を獲得しています。 言ってみれば、趣味嗜好の話ですから、音楽を楽しむ。 それは声、楽器どちらでもよい話。  ただ、私のように両方を指揮する人間にとってみれば「どうして?」と考えてしまいます。「言葉が付いている」音楽は 疲れると聞いたことがあります。
理解できます。言葉の世界に疲れたから音楽の世界で癒やされたい、リフレッシュしたい。なのにまた言葉 を聞いて脳を働かさなければならない。「もういいや!」でしょうか。
しかし、です。確かな感覚として、言葉を伴って与えられる「感動」は楽器に依るソレを超えます。
右脳と左脳、音楽領域と言語領域。関連する脳の全ての領域が活発化する。
それが音楽から与えられる最高、最良の贈り物です。

第一ステージと第二ステージはラテン語。多くの方々は言葉でなく響きをお聴きになるかと想像します。
それを言葉を聴き取って頂くのが「合唱団」が目指すべき事。そのようにと練習を重ねました。言葉の意味は 判らないけれど、心に響く(歌い手の思いが伝わる)音楽を目指します。
第二ステージは併せて、新しいハーモニーの魅力も伝えなければなりません。「現代曲」、今日の難曲でしょう。
そして、第三ステージは日本語です。これがメインとなりそうです。
「生まれたよ ぼく」と最初からインパクトのある言葉。どう発展するのかドキドキさせられる、それが谷川俊太郎の世界。 現代の「今」を切り取る天才です。曲はシンプル(これが至難の技)に詩を綴っていきます。 好きですね、このスタイル。

今回はクラウディオ・モンテヴェルディ、新実 徳英、萩 京子と並びました。
興味深い作品たちです。言葉と音響(声の色、ハーモニー)の魅力となれば曲も喜んでくれる事でしょう。
音楽の至福を、作曲家、作品、お聴きいただく皆様、そして演奏するメンバーたちを結ぶこのひととき、
共に味わう事ができれば最高の幸せです!
作品解説は合唱団員が書いてくれました。
参考にしていただければと思います。
 

曲紹介

 C. モンテヴェルディ 4声のミサ曲  SV 190
モンテヴェルディ連続演奏シリーズ、今回は 4声のミサを演奏いたします。
モンテヴェルディがヴェネツィアに居た頃に作曲されたとされ、死後の 1650年に ヴェネツィアの出版業者 ヴィチェンティによって出版された宗教曲集に収められています。
伝統的な対位法の書法で始まりますが、曲が進むにつれ言葉の内容に即した様々な表現が表れてきます。
従来のミサ曲よりも、より華麗でより劇的で多彩に描かれています。
合唱団の一部ではバーニングミサとも呼ばれるこの曲、モンテヴェルディの渦巻くような情熱と祈りを
お届けしたいと思います。
(ベース 竹内 幹)
 

 新実 徳英     Salve Regina G 混声合唱のための A.E. 92
Salve Regina(サルヴェ・レジーナ)は、カトリック教会の伝統的な祈祷文で、「めでたし、元后よ」と訳されま す。元后とは聖母マリアのことであり、楽園を追放されたエヴァの子の我々に慈しみのまなざしを向けてくだ さい、と切々と祈りの言葉が紡がれます。
暗闇から聞こえてくるような人々の囁きで始まり、呻くような悲痛な祈りを経て、クライマックスは高らかにマリ アへの賛歌が歌われます。
同じ曲で 女声版(Frauen) も作曲されており、本作はその混声版(Gemischter) になります。
作品番号として末尾に付されている A.E.は “After the Earthquake”の意で、「2011年 3月11日の 東日本 大震災の後、この震災と人災を風化させてはならない、という自分への戒めとして、作品にこの番号を付すこ とにした」と作曲者の新実氏は語っています。
震災から14年の この3月に、教会の聖堂で、マリアへの祈りを通じてこの世界の未来へ希望を込めて歌いたいと思います。
(ソプラノ 和佐谷 宏子)
 

 萩 京子   混声合唱とピアノのための 生まれたよ ぼく 
この曲集は 2022年初演の 3曲の男声合唱曲を元にして作られました。「生まれたよ ぼく」と宣言し、「せん そうしない」と宣言し、「ありがとう」と世界に向かって、そして自分に向かって述べる、そんな構成であったと のこと(作曲者の言葉から)。
その後、「走る」「くらやみ」を加えた 5曲の混声合唱曲となり、2024年に初演さ れました。
詩は 昨年11月に亡くなった谷川俊太郎。 ドキリとすること、ハッとすることを、子どものように柔らかい、素朴 な言葉に包んでいて、それを作曲の萩京子さんが両手につつみたくなるような愛らしい曲にしました。
かつて、この世界に生まれ出た日があった私たちが、日頃忘れてしまっていることを、この曲たちが思い出さ せてくれるかもしれません。
この曲を歌うたび私たちが感じている感動と温かさをお届けできればと思います。
(テノール 笹川 馨)