音楽が好きだけれど「合唱」は聴かない、という方が結構いらっしゃるようです。
言葉のない音楽、「音響」を好まれるのでしょう。その中でも「オーケストラ」は根強い支持を獲得しています。
言ってみれば、趣味嗜好の話ですから、音楽を楽しむ。 それは声、楽器どちらでもよい話。
ただ、私のように両方を指揮する人間にとってみれば「どうして?」と考えてしまいます。「言葉が付いている」音楽は
疲れると聞いたことがあります。
理解できます。言葉の世界に疲れたから音楽の世界で癒やされたい、リフレッシュしたい。なのにまた言葉
を聞いて脳を働かさなければならない。「もういいや!」でしょうか。
しかし、です。確かな感覚として、言葉を伴って与えられる「感動」は楽器に依るソレを超えます。
右脳と左脳、音楽領域と言語領域。関連する脳の全ての領域が活発化する。
それが音楽から与えられる最高、最良の贈り物です。
第一ステージと第二ステージはラテン語。多くの方々は言葉でなく響きをお聴きになるかと想像します。
それを言葉を聴き取って頂くのが「合唱団」が目指すべき事。そのようにと練習を重ねました。言葉の意味は
判らないけれど、心に響く(歌い手の思いが伝わる)音楽を目指します。
第二ステージは併せて、新しいハーモニーの魅力も伝えなければなりません。「現代曲」、今日の難曲でしょう。
そして、第三ステージは日本語です。これがメインとなりそうです。
「生まれたよ ぼく」と最初からインパクトのある言葉。どう発展するのかドキドキさせられる、それが谷川俊太郎の世界。
現代の「今」を切り取る天才です。曲はシンプル(これが至難の技)に詩を綴っていきます。 好きですね、このスタイル。
今回はクラウディオ・モンテヴェルディ、新実 徳英、萩 京子と並びました。
興味深い作品たちです。言葉と音響(声の色、ハーモニー)の魅力となれば曲も喜んでくれる事でしょう。
音楽の至福を、作曲家、作品、お聴きいただく皆様、そして演奏するメンバーたちを結ぶこのひととき、
共に味わう事ができれば最高の幸せです!
作品解説は合唱団員が書いてくれました。
参考にしていただければと思います。