第72回 定期演奏会

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モンテヴェルディ連続演奏シリーズ Vol. 72

 


  ◆ C. モンテヴェルディ マドリガル集 より
 《第2巻 より  Ecco mormorar l'onde  ほら さざ波がささやく
 《第3巻 より  O rossignuol  おお ナイチンゲールよ
 《第2巻 より  S'andasse amor a caccia  もしも愛の神が狩りに行ったなら 
 《第4巻 より   Sfogava con le stelle  打ち明けていた、星たちを相手に 
 
 ◆ J.S. バッハ Jesu, meine Freude  イエスよ、我が喜び 
 ( BWV227; モテット3番)
 
 ◆  林 光 -林光の世界-
 (作詩: 佐藤 信 )  うた、 ねがい (混声合唱のための「うた・ねがい・明日ともなれば」より)
 (作詩: 宮沢 賢治) 星めぐりの歌、祈り(宮沢賢治の詩によるソング・アルバム「岩手軽便鉄道の一月」より)
 
  〜 ア ン コ ー ル 〜
 ●  林 光    ポラーノ広場のうた (「岩手軽便鉄道の一月」より )
 ●C. モンテヴェルディ    Cantate Domino, canticum novum 
 





指揮
ピアノ
キーボード
合唱

: 当間 修一
: 木下 亜子
: 中橋 陽子
:京都クラウディオ・モンテヴェルディ合唱団

Flyer; the 72nd Concert PDF版ファイルは、こちら( 3.2 MB)


  • 日時:2023年 9月10日(日)
       開演 … 14時30分(開場 … 14時)

     

  • 会 場:京都堀川音楽高等学校 音楽ホール
     京都市営地下鉄「二条城前」駅より 徒歩 約5分 
    ( 下記掲載の案内図をご参照ください。)

- 入場料 -
  《 前売券 》   《 当日券 》 
一般¥2,800 ¥3,000 
学生¥1,800 ¥2,000 
高校生以下¥  800 (前売と同額)


【 会 場 案 内 図 】
access map

・地下鉄東西線「二条城前」駅より 徒歩 5分
・地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅より 徒歩 9分
・京都市バス 「堀川御池」バス停 すぐ  〈 9, 12, 101系統 など〉
・阪急電車京都線「大宮」 駅より 徒歩16分





 曲 紹 介

C. モンテヴェルディ 「マドリガル集」 より
モンテヴェルディ連続演奏シリーズ、今回はマドリガーレ集から小品4曲を演奏いたします。
このひと時、イタリア人の心になって、アンサンブルの愉しさや妙味をお届けできればと思います。

◇ Ecco mormorar l'onde  ほら さざ波がささやく (第2巻より)
マドリガルによくある台詞として、惚れた、振られたとか、君なしでは生きていけないとか、もう死ぬとか、とかく大袈裟なものが多いのですが、この “Ecco” は終始爽やかな描写が続きます。
波がさざめく浜辺、小鳥の歌を聴きながらそよ風に吹かれていると、やがて夜が明け、山々も世界も金色に輝いていきます。心も洗われて元気な一日の始まりです。
◇ Orossignuol  おお ナイチンゲールよ (第3巻より)
せせらぎの上、木の枝でナイチンゲール(夜鶯)が歌っています。パートナーと甘く歌い交わし実に楽しそうです。ああ、それなのに...僕には歓びを分かち合う人がいない...と、 マドリガルにはよくある喜びと嘆きの対比です。しかし嘆きでは終わりません。
終盤、小気味よいリズミックな主題から、一旦は下がってもまた舞い上がっていく旋律ヘ。ナイチンゲール の歌声のように、曲は最後まで快活に進んでいきます。
◇ S'andasse amor a caccia  もしも愛の神が狩りに行ったなら (第2巻より)
愛らしい犬を連れて愛の神が狩りに行く。活き活きした旋律が幾重にも絡み合い、光溢れる季節、華やかな狩りの場面を描き出します。
おやおや? 曲中の猟犬の名前 “グレキーノ” は、ご領主の公女様の愛犬と同じ名ですね。「グレキーノも ご主人も愛らしく美しい」ですって。
作曲者の粋な計らいで、曲を聴かれた公女様もご領主一家もご満悦だったのでは?
◇ Sfogava con le stelle  打ち明けていた、星たちを相手に (第4巻より)
またまた出ました、マドリガルではお馴染み、恋に悩む男。芝居っ気たっぷりのモノローグ。
「美しいあの方と同様に美しいお前たち」と星に呼びかけ、叶わぬ恋の辛さを訴えています。こんなに口が上手いと次の恋のお相手もすぐに見つかるかも。
実はこの曲には、各音符の長さが決められていなくて、話すように歌うという指示が7箇所もあり、お芝居の台詞のように語ります。劇的な効果が出ますかどうか、お楽しみに。

(テノール 笹川 馨)

J. S. バッハ  “Jesu, meine Freude”  イエスよ、我が喜び (BWV 227)
J.S.バッハが 17世紀に作曲したこの曲は、新約聖書の一書「ローマの使徒への手紙」第8章からテキストを選び、J. クリューガーによるコラール “Jesu, meine Freude” の6つの節の間に挿入した形で作られました。
6曲目・5声による壮大なフーガを軸に、シンメトリーな構成となっています。
コラールというのは教会の礼拝で歌われるもので、ドイツでは誰もが知るポピュラーな曲でした。1〜6番まであるコラールを、バッハならではの解釈で、それぞれ装飾の違うものとなっています。その輝き方もまた様々です。
コラールの間に聖書の引用を挿入したのは、コラールと聖書の内容が関連付いていること、ひいては民衆一人ひとりの人生に関係があることを明らかにする効果がありました。
5つの聖句で繰り返されるのは「あなたがたは『肉』にあるのではなく、『霊』にある者だ」という言葉です。 聖書の中では「肉の思いは死であるが、霊の思いは、いのちと平安である」という言葉も連なります。
聖書の解釈には様々あり、その学習も人生経験も浅い私にはこう聞こえました。世界は、人類は、争うために生まれてきたのではなく、互いを尊重するために生まれてきた。わたしたち一人ひとりの命は尊い、と。 これは当時のドイツだけでなく、いまこそ声を大にして歌うべきテーマだと思います。
と、色々書きましたが、この名曲はとにかく「聴いていて楽しい、心がワクワクする曲」です!他のステージとは全く違う色、香りを感じていただければ幸いです。
全声歌っていたのに急に声部が1つだけになってハッとしたり、急に全声揃い驚いたりするかもしれません。同じフレーズをパートが追いかけっこしたり、急に怒ったり、急に静かになったりすることもあります。
演奏時間は少し長いかもしれませんが、「気付いたら終わっていた」「何か分からないけど凄かった!」そう思っていただけたら、これ以上に嬉しいことはありません。どうぞお楽しみください。
(ソプラノ 中原 葉月)

林 光 作品 より
作曲家 林光氏(1931-2012)は、管弦楽曲、オペラ、映画音楽、ドラマ音楽、合唱曲、そして自ら「ソング」と呼んだ歌曲や劇中歌を数多く作曲しました。
「うた」と「ねがい」は、1982年に演出家の佐藤信氏と共作した報告劇「ワルシャワ労働歌のうた」の劇中歌として作曲されたソングを、混声合唱用に編曲されたものです。
「祈り」は、宮沢賢治の童話「烏の北斗七星」の一節をテキストとした曲です。烏の兵士が山烏との激しい戦いを終え、涙を流しながらマヂエルの星(北斗七星)に切々と祈る場面です。
「星めぐりの歌」は、宮沢賢治の童話「双子の星」の中で、星空に住む双子の童子の銀笛に乗せて歌われます。賢治自身がこの詩に作曲し、様々なアレンジで親しまれていますが、林氏の編曲は、ピアノの静かなアルペジオにクラリネットとチェロのオブリガートが印象的です。本日は楽器部分をキーボードで演奏します。
(ソプラノ 和佐谷 宏子)



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