第67回 定期演奏会

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  モンテヴェルディ連続演奏シリーズ Vol. 67

 


  ◆ C. モンテヴェルディ 『6 声 の ミ サ』“ Missa in illo tempore ” 
   Kyrie / Gloria / Credo / Sanctus-Benedictus / Agnus Dei
 
 
 ◆ 鈴 木 憲 夫   混 声 合 唱 組 曲『二度とない人生だから』
( 詩:坂村真民) 1. 念ずれば花ひらく / 2. 花・ねがい / 3. 妻を歌う / 4. つゆのごとくに
5. からっぽ・サラリ / 6. こおろぎ / 7. 二度とない人生だから
 
 
 ◆ 土 田 豊 貴  混声合唱とピアノのための『ひそかなうた』
( 詩: 木島 始 ) T. 夢 / U. 恋のなりふり / V. ひとみのうた / W. ひそかなうた
 
  〜 ア ン コ ー ル 〜
 ◇ C. モンテヴェルディ   Cantate Domino, canticum novum 
 


  • 指 揮 : 当 間 修 一
  • ピアノ : 木 下 亜 子
  • 合 唱 :京都クラウディオ・モンテヴェルディ合唱団

  • 日 時: 2021年 3月21日(日)
            17時 30分(開場 … 17時 )

  • 会 場:京都文化博物館 別館ホール
     京都市営地下鉄「烏丸御池」駅から 徒歩 約3分 

  • 入場料:
      《 前 売 券 》   《 当 日 券 》 
    一 般¥2,800 ¥3,000 
    学 生¥1,800 ¥2,000 
    高校生以下¥  800 (前売と同額)

Flyer; the 67th Concert
拡大画像をご覧いただけます
( PDF , 1.0 MB )


 




演奏にあたって   音楽監督・常任指揮者 当 間 修 一 

曲 紹 介

まだまだ続いている「コロナ禍」。世界が「COVID-19」に振り回されています。人類史上、歴史に大きく刻 まれる事態に陥っています。
音楽家にとって、自身の事情に依らずこの世界を巻き込んでいる災難がこれほどの苦難をもたらすとは。 その中にあって、こうして演奏会を開催できることに感謝したい気持ちをどのように表したら良いのか、言葉になりません。  私が関係する団体ではまだ感染者は出てはいません。それぞれのメンバーがその対策にキッチリと取り組み、実践してくれているからだと思います。
今回のこの演奏会でも最善を尽くして全員で対応させて頂く所存です。 ホールの関係者の皆様方にも深くお礼申しあげます。

さて、今回のプログラムはこれまでの「京都C・モンテヴェルディ合唱団」と少し趣が異なったものと映るかもしれません。

第一部のミサは声部の絡みが絶妙で、その全体を支配する荘厳さと力強さは他の作品を凌駕するほどです。 多声部書法の巧みさは驚きを越えて畏怖さえ覚える感動を呼び覚まします。
「何度も演奏できるものではない」との以前からの思いは今もまだ持ち続けている私です。

第二部の鈴木憲夫作品、今回は「二度とない人生だから」。初演の時(女声合唱版)は会場で聴かせて頂きました。
以後、鈴木憲夫さんとは親しいお付き合いです。そのきっかけの演奏会だったように思います。  その時ご一緒だったお亡くなりになった前奥様の姿が今でも目に浮かびます。
鈴木憲夫作品の魅力は何と言っても作品の底に流れる抒情でしょう。優しさが身に染みます。 力強い作品もあるのですが(それもまた魅力的です!)、それらの曲でもずっと保たれている「優しさ」が全体を包んでいます。
今回の混声版、合唱団が持つ特徴と作品の特徴が同調となればどんなにか曲が活きることでしょう。それが楽しみで振ります。

第三部は私も初めて取り上げる作品。曲は「現代合唱作品」の様相を見せています。書法は声部が入り組み、歌詞も同時進行で綴ります。
一見、聴いている者には歌詞を聴き取れないかもしれないのですが、不思議なことにその演奏の仕方によってこれまでとは(私の経験を通して、と言いましょう) 全く異なる世界になるかもしれないとの譜読みで、この曲を選びました。
合唱団にとっても初めての音楽体験になっているかもしれません。 私のアプローチによってこの曲が持つ世界が浮かび上がることができれば嬉しいと思います。
ピアニストの木下亜子さんの絶妙のフォローに感謝です。

早く日常が穏やかに過ごせる日々となりますよう歩みを進め、そして祈りたいと思います。
相手はウイルス、目に見えない強敵です。そこに人災が加われば目を覆いたいほどの事柄が起こるやも知れません。  慌てず、騒がず、日常を取り戻して大いに楽しむ。その一刻となれば無上の喜びです。

クラウディオ・モンテヴェルディ 「6声のミサ」
 モンテヴェルディ連続演奏シリーズ、今回は「6声のミサ」を演奏いたします。
 1610年にモンテヴェルディの最高傑作と呼ばれる「聖母マリアの夕べの祈り」と一緒に出版された作品で、原題は "Missa da capella a sei voci fatta sopra il motteto In illo tempore del Gombert"。 この題の示す通り、ニコラ・ゴンベールのモテット "In illo tempore" より取られた 10の主題によって作曲されています。
 ルネサンス音楽に多く見られたパロディ形式で、伝統的なポリフォニー書法で書かれており、一見すると「聖母マリアの夕べの祈り」とは対照的に見えますが、時折現れるモンテヴェルディらしいリズムやハーモニーは、伝統的なものも、より新しい音楽に生まれ変わらせようとしているようにも感じられます。
 久しぶりの京都文化博物館で、モンテヴェルディ時代の壮麗な響きをお楽しみいただければと思います。
(ベース 竹内 幹)

鈴木 憲夫 「二度とない人生だから」
 この作品は、委嘱初演である「コーラス ふじの花」指揮者、故 竹上廣子氏の「仏教の心を音楽を通して広く語りかけたい」という願いを受け、2001年に女声合唱組曲として作曲されました。
 混声版はまず終曲の「二度とな い人生だから」が初演され、それをきっかけとして2007年に全曲版が出版されました。
 坂村真民氏の「慈愛に満ちた」「深く優しい眼差し」の世界(作曲者まえがきより)が、鈴木憲夫氏の素朴で親しみやすい旋律によってまっすぐに表現されています。  あたたかく豊かなピアノとともに、生きる歓びや命に対する優しさに溢れる音楽をお届けできればと思います。
(ソプラノ 雲財 知)

土田 豊貴 「ひそかなうた」
 女声版として書かれた同作曲家による「夢」(「雪の蝶」第1曲 ) を軸に、2018年に作曲された新しい作品です。
 作曲家自身が「自分の大好きな時代や作曲家の音組織、模倣、引用などを盛り込み自由に書かせて頂いた作品」と述べている通り、プロコフィエフやショパンの模倣に加え、第3曲「ひとみのうた」のピアノパートではドビュッシーの「夢」から引用されるなど変化に富んだ楽曲により構成されています。
 合唱とともに詩の世界を綴るダイナミックかつ繊細なピアノも聴きどころです。
(ソプラノ 葛葉英子)



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