|
文化庁 |
||
〜モンテヴェルディ連続演奏シリーズ Vol. 66 〜 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
演奏曲目紹介◆ C.モンテヴェルディ / 「マドリガル集」より
(ベース 竹内 幹)
◆ W. バード / 4声のミサ
作曲者のウイリアム・バードはヘンリー8世やエリザベス1世で知られる英国テューダー朝期に活躍したオルガニストであり音楽家です。
傑作の誉れ高い 3声、4声、5声のミサ曲が作曲されたのは 1592〜1595年頃と推定されています。 これは彼がロンドンを離れて、カトリック教徒の有力者であった
ジョン・ピーター卿の住まいに近い、エセックス州に住んでいた時期に当たります。その中から今回お届けするのは 4声のミサ曲です。
Kyrieの冒頭から、陰翳に富む曲調のなか静謐な祈りが深く心に沁み込んできます。 そして一転、Gloria、Credoでは力強く突き進んで行きます。各声部が同時に歌ったり、次々に高音へ駆け昇ったりと、劇的な表現は作曲者の信仰心の発露でしょうか。 英国国教会とカトリックが緊張関係にあった時代の中、宗派による典礼の違いなど超えた熱いものを感じさせてくれます。 そして遥かな高みからの光で満たされるSanctus。敬虔な、それでいて切ない讃歌とともに曲は終盤に向かいます。 全曲を締めくくるAgnus Deiは静かに痛みに耐えるように進みます。「我等に平和を与えたまえ」の旋律は、ぶつかり、解決し、また軋み、 どこまでも続く生の苦悩をなぞるかのよう。しかしやがてそれも終わり、感謝と安らぎのうちに曲は閉じられます。 ルネサンス期の多声音楽として傑出しているだけでなく、音楽史の中でひときわ輝きを放つ名曲です。 (テノール 笹川 馨)
◆ 千原 英喜 / 混声合唱とピアノのための 「光のなかの貨物列車よ」 より
阪神淡路大震災と東日本大震災への祈念として作曲された「レクイエム第2番」と、和合亮一氏の詩による「光のなかの貨物列車よ」の全10曲で構成される
一連の曲集の中から、本日は「光のなかの貨物列車よ」の終曲〈5〉を演奏いたします。
震災で傷ついた東北の地を夜通し走る貨物列車。何を思い、北へ、北へと一体何を運んでいるのか。震災への思いのみならず、人間存在への普遍的問いかけが込められた曲です。 (ソプラノ 和佐谷宏子)
◆ 木下 牧子 / 混声合唱曲集 「うたよ!」
1995年に曲集として出版された本作品は、詩人 まど・みちおの5つの詩をもとに作曲され、技術的にはシンプルですが、しかし音楽的には
大人向けの深い味わいを持った曲が揃っています。 自然や動植物への賛歌、生きることへの前向きなエネルギーを感じさせる詩の世界を、
豊かなハーモニーで、時に爽やかに、時に力強く表現したいと思います。
(ソプラノ 和佐谷宏子)
◆ 木下 牧子 / 混声合唱とパイプオルガンのための 「光はここに」 より
本作品は、詩人立原道造の詩から6編を選び、鎮魂歌・レクイエムとして作曲された組曲です。
昭和初期に活動し24歳で夭逝した詩人の、哀しいほどの「生」への憧憬が込められた詩を、木下牧子氏のスケールの大きな楽曲に乗せてお届けします。
本日は、組曲の中から5曲目と終曲の2曲を抜粋し、ピアノ伴奏で演奏いたします。
(ソプラノ 和佐谷宏子)
|