1)モンテヴェルディ / 「マドリガル集」第1巻 より
モンテヴェルディ連続演奏シリーズ、今回はマドリガーレ集第1巻から4曲聴いていただきます。
マドリガーレ集第1巻は 1587年、モンテヴェルディが 20歳、まだ生まれ故郷のクレモナに居た時に出版された
最初の世俗マドリガーレ作品集です。まだ若いモンテヴェルディが書いたこの作品集は、ルネサンス音楽の
伝統的なポリフォニーの書法に則って書かれており、どの曲も簡潔で短くまとめられています。
伝統的な様式に則りつつも、後の作品に見られるようなリズムや和声の面白さがあちこちに顔を出しています。
ルネサンスからバロックへ新しい音楽を模索していくモンテヴェルディ、その最初のマドリガーレ達をお楽しみください。
どの曲も短いです!お聴き逃しありませんように(笑)
(文責:竹内 幹)
2)寺嶋 陸也 / 混声合唱とピアノのために「空を見る日」
詩人 八木重吉は、明治31年に現在の東京都町田市に生まれ、東京高等師範学校時代に洗礼を受けました。卒業後は
教師をしながら詩作を続けましたが、肺結核を患い29歳で夭逝しました。
本曲集で作曲されている詩のうち5編は、大正14年8月に刊行された処女詩集『秋の瞳』に収録されています。
野山の風景のように流れるピアノ伴奏とともに、詩の世界を、簡素ながらの作風に歌い手の深いひとりひとりの思いを込めて表現できればと思います。
(文責:和佐谷 宏子)
3)信長 貴富 / 混声合唱曲集「捧げる言葉」
谷川俊太郎氏の紡ぐ“言葉”。 平易な文字を使われることが多いのですが、広く深い共感を呼び、あるいは
何かの深淵を覗かせ、また心に染み、他の人との絆を結ぶ。そんな力を感じる事ができます。
この曲集の序文に、「歌に携わることは言葉に携わることと言い換えることができるでしょう。
…言葉を分かち合える喜びに立ち返り、新たな一歩を踏みだす記念の日に贈る歌としたい…」と綴られています。
力強く滔々と流れるピアノと和声が言葉と紡ぎ合わされ、より力を増して心に響く。その様な作品に結実したと感じています。
谷川氏の“言葉”、信長氏の“音楽”を私達は合唱作品としてお預かりしました。それをお聴きの皆様と分かち合うことができれば、この上ない幸いです。
(文責:西台 元)