2. “3 Geistliche Gesänge” 「3つの宗教的な歌」op.69
(J.G.ラインベルガー)
ラインベルガー Josef Gabriel Rheinberger は1839年に生まれ、1901年ミュンヒェンで没した作曲家でありオルガン奏者。
この「3つの宗教的な歌」は〈朝の歌〉〈賛歌〉〈夕べの歌〉の三曲から成る。伝統的な書法の中にあって深く祈り満ちたこの曲は、数あるラインベルガーの作品の中でもよく取り上げられる名曲として人気を誇っています。
3. 野と空の歌(寺嶋陸也)
宮澤賢治の文語詩から五篇を選び、2013年に書かれた曲集。賢治の詩に付けられた多くの曲があるなか、内なる心に向かう孤独な賢治像に迫る異才の響きで印象的。
4. 方舟(木下牧子)
大岡信、18歳時の詩。父に対する反発、敗戦の影を落とす陰影多い心の中に描かれた明日に希望を託すことを拒もうとする暗鬱な世界。その中にほのかに光る愛する人の面影。
- 1)「水底吹笛」
- 詩人の自画像。夢を失い明日の望みもない虚しさのなかで、水底に座って金魚草やヒメマスと息を通わながら笛を吹く。
- 2)「木馬」
- 詩人の寂しい心の象徴、木馬。冒頭ポール・エリュアールの詩が書かれている「夜ごと夜ごと 女がひとり ひっそりと旅をしている」。寂しい心の中、恋人との途切れぬことのない愛を願う。
- 3)「夏のおもひに」
- 夏の海、心に染み入る海辺の風景の中に恋人を思う。
- 4)「方舟」
- 宇宙(そら)から見る地球。愁いに満ち、彩る血の帯、この星が私たちのふるさとなのか。空を渡る星座の船団。夢とそれを抗(あらが)う心。
人よ、逆さまになって地球を見よう。錨をあげて空を渡る星座の船団を仰ごう!