第44回 定期演奏会
   −モンテヴェルディ 連続演奏シリーズ Vol.44−

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 ♪ C.モンテヴェルディ   『 4つのモテット 』 より
  Domine, ne in furore tuo / Adoramus te, Christe
 

 ♪  ドゥアルテ・ロボ   『 Missa pro defunctis 』
(死者のためのミサ曲) * Duarte Lôbo (c.1565 - 1646 : Portugal )
 

 ♪   ** **    『金子みすゞ の詩による 合唱曲』を集めて
- 石若 雅弥  「星とたんぽぽ」(混声合唱組曲 このみちをゆこうよ)
- 池辺 晋一郎  「大漁」   (混声合唱曲集 いのちと、こころと…)
- 鈴木 憲夫  「このみちT」 (混声のための合唱ファンタジー みすゞこのみち)
- 当間 修一   「みそはぎ」
 

 ♪  J.S.バッハ     『 Jesu, Meine Freude 』 ( BWV 227 )
 モテット3番 “イエスは 我が喜び”
 

 ♪ アンコール
   -T.L.ビクトリア     『 Ave Maria a 8voci 』
   -C.モンテヴェルディ 『 Cantate Domino canticum novum 』
 


  • 指 揮 :  当 間 修 一
  • ピアノ :  松 本 恵 理
  • 合 唱 :京都クラウディオ・モンテヴェルディ合唱団

  • 日 時 : 2010年  6月 27日(日)
           開演 … 17時 00分
          (開場 … 16時 30分)

  • 場 所 :【 京都外国語大学 森田記念講堂

    − 京都市バス「京都外大前」バス停前(28系統ほか)
    − 阪急電車 「 西 院 」駅・西へ徒歩約15分
    −地下鉄東西線「太秦天神川」駅・南へ徒歩約13分

  • 入場料 :     (前売)  (当日)
    •  一 般  ¥2,800/¥3,000
    •  学 生  ¥1,800/¥2,000
    • 高校生以下 ¥  800/¥  800

Flyer; the 44th Concert
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( PDF , 636kB )


 
−・−・− 演 奏 に あ た っ て −・−・−
音楽監督・指揮 当 間 修 一 

今、「京都 クラウディオ ・モンテヴェルディ合唱団」は大きく変わろうとしています。
その第一歩ともいうべきビッグイベントが イタリアはマントヴァでの演奏旅行でした。 作曲家「モンテヴェルディ」ゆかりの地での演奏。 それも彼の多くの初演作を響かせた「聖バルバラ教会」。 名古屋「ビクトリア合唱団」との合同でしたが、彼らの歌声は確かにそこで印象深い軌跡を残しました。

「モンテヴェルディ」の作品を紹介する。 それを基軸としながら「合唱音楽の魅力」も追究する。 その使命を背負っての活動です。 しかしながら、息苦しさを感じさせるような気負っての重苦しさはありません。 楽しくなければ合唱ではないということを 歌う彼らが一番知っているからです。
ハーモニーを楽しむ。音楽の妙を楽しむ。人とのコミュニケーションを楽しむ。 合唱は やはり楽しくなければなりません。

ではあるのですが・・・・・。   実のところ、本当の楽しみは〔辛さ〕も〔努力〕も必要です。

今日は、その為の本当に難しい課題に挑戦する演奏会となりました。  ア・カペラ、つまり無伴奏での演奏。それも長大な宗教曲です。  一般的でないことを承知の上でそれらを選曲しました。  ピッチの助けを伴わないで、自分達の声だけでその魅力を伝える。この恐ろしさは並み大抵ではありません。  楽しみながら最高に難しいことをやってのける。その課題に立ち向かいます。
「無伴奏」の楽しみは格別です。 人間が持つ最も高貴な「遊び」だと私は思っています。

モンテヴェルディの二作品
G.C. Bianchi コレクション (1620) 四つのモテットから。
モンテヴェルディの音楽の特徴は何といっても現代に通じるリズムです。  感情の起伏を伴って劇的な効果をあげます。  また、それらの対極である、深い情緒を漂わせる雰囲気。  日本人にも感じやすい短調的な(実は古い音階なのですが)その音調は 成熟した西洋文化のフィルターを通すことなく 我々の身体に溶け入る要素を持っています。
今日演奏する曲は特別にそれらの要素を含む、というわけでもないのですが、モンテヴェルディの音楽を知る我々にとっては 愛すべき小品ではあります。  音の音型は言葉の意味を伝えます。その意味においてラテン語の知識は必要でしょう。  しかし音楽の摩訶不思議、単語(意味)はそれほどわからなくても 音楽がそれらをカバーすることも確か。  モンテヴェルディはそれに長けています。

ロボ  レクイエム
「レクイエム」には古今名曲が沢山あります。  Duarte Lôbo という名前は まだあまり知られていません。  このルネッサンス後期から初期バロックにかけて活躍したポルトガルの作曲家の作品が 我が国でも多く演奏されても良いように思います。
良い曲です。Missa pro defunctis (Requiem)  8声に分かれています。  一つのパートが3人程で歌うことになります。
演奏当時も少人数だったと思われるのですが、一人の負担が大きくなるわけです。  アマチュア合唱団では困難が伴うこと必至だと思うのですが、いかがでしょう。  これを敢えて我が合唱団に課する、大きな飛躍となって欲しいとの思い大です。

金子みすゞ の詩による音楽
みすゞの詩に心洗われる私です。  短い彼女の死が心を疼かせます。  美しい永遠の聖女にしたいとは思いません。 私には切なく私の心に染みてきます。  確かに私の心と共振します。 命の尊さ、愛しさが詩を通して胸を打ちます。  そんな詩に曲を付けた作品を演奏したいと思いました。  ヨーロッパ文化の作品を前後に挟んで日本の心を少し垣間見たいと思った訳です。  私の拙い作品も演奏して貰うことになりました。  少しなりとも私の心が「みすゞさん」に届くと良いのですが。

バッハ モテット「イエスは我が喜び」
今日のメインの曲。  初演時は通奏低音を付けていたと思われるのですが、今回は無伴奏です。
お葬式の時、あるいは故人を偲ぶ集会で、歌われたようです。  堅き信仰の上に故人の祝福を願う。 送る者にとっては心からの祈りです。  バッハは彼の才能全てを施して作曲しています。 器楽的な書法、これが一番手強い。  ブレスの場所、音程の跳躍、長いフレーズ、ドイツ語の処理、音色の多様性、そして 何より困難性を生じるのが「宗教的解釈」。
これらを乗り越えて二十数分間の大曲を演奏します。
合唱団員の精神と体力(声帯力)が試される時です。 飛躍的な確信。  それはこの演奏を通じて確かめられることとなります。

 
演奏会にお出かけ下さって 本当にありがとうございます。
身勝手なことを書いたかもしれません。  しかし合唱団の成長著しいが故の、今後に掛ける私の思いの表れだと お思い頂いて、是非とも彼らに御声援を頂ければ嬉しく思います。  どうか、皆様に合唱の楽しさが伝わりますように。


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