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ヴェネツィア旅行記
〜モンテヴェルディの足跡を訪ねて〜

第4日(2月13日)
山川 美弥子

4日目 〜長い一日〜

 この日の予定は ヴィヴァルディ縁の教会である ピエタ教会を見に行くこと。ピエタ教会の近くまでは 水上バスに乗って移動することになった。 今回初めて水上バスの上からのヴェネツィア観光だ。この水上バス、日本では観光用が主だが、ここベネツィアでは移動手段として生活の中で普通に使われている。 ヴェエツィアの島の中には車が入れないし、階段が多く自転車も乗れない。移動は歩くか、この水上バスに乗るのだ。

 本当に、ベネツィアは美しい街。何を見ても、絵になり、感動してしまう。古い町並みの中には修復中の建物がたくさんあった。 古くなった建物は日本では「立て替え」るのが普通だが、こちらでは「修復」するのだ。考え方の根底が違うのだなぁと思う。

 有名な「リアルト橋」の下をくぐり、だんだんとサンマルコ広場に近付いていく。 昨日その内側を見学した「ため息橋」も見えてきた。 今日は外側からの風景なのでおもしろかった。
 

 サンマルコ広場に到着し、歩いてすぐのピエタ教会に着いた。 何と!!ピエタ教会は修復中で、中を見学することはできなかった!! 入り口のドアから中を覗くと座席が取り払われ、すっかり工事現場になっている。 危険なので、「少しだけでも見せて欲しい」という願いも残念ながら叶わなかった。 残念だ!(またベネツィアに来なくては….!!)

← せめて外観だけでも…。
 

 ピエタ教会は、孤児となった幼い女子を収容する オスペダーレ(慈善養育院)だった。 女子たちは ここで十分な音楽教育を受けることができたので、貴族の音楽教師や、海外へ進出して行った人もいたらしい。
 ヴィヴァルディはここで、ヴァイオリン教師、演奏者、指揮者として勤めていた。(司祭の資格も持っていたらしい)  その間にたくさんの曲を書き、演奏会も行われていたとか。

 その後、サンマルコ広場の鐘楼の上まで登った。(ありがたいことにエスカレーターがあった)  ここからの景色が圧巻だった。 ベネツィアは本当に美しい街だ。街並も海も空も。 かつてモンテヴェルディもこの景色を観て心を和ませたのだろうか。 (エスカレーターはもちろんなかっただろうけれど…..)


サンマルコ大聖堂の屋根

ドゥカーレ宮殿の屋根

 さて、3時に一旦集まって、ホテルへ戻る。 残念ながら、ここでフィレンツェへ足を伸ばす人たちと、 このままベネツィアに残り 帰国する人たちとで、別れ別れとなるのだ。
 フィレンツェには電車で移動するとのことでみんなで駅までお見送りに行った。


盛大に見送る翌日帰国組の人々

フィレンツェへと出発する列車
ほぼ定刻で発車した。「イタリアなのに...」とA西代表。

 そして、夕食。 サブリナが紹介してくれたお店(予約も入れてもらって、もう至れり尽くせり(^^; )は、「バルトロメオ広場」という小さな広場から 裏道のような路地に入り、2回程角を曲がって入った所にある小さなレストラン。入り口では「立ち呑み屋」のように、立ってお酒を飲んでる若者と かつての若者たちがたむろしていて、一見恐いお店のように見えてしまった。観光客だけではきっと入れなかっただろう。貴重な体験だ。サブリナ感謝!

 メニューは第一パスタ、第二パスタ、サラダ、魚介のフライ、もちろんパンとワイン。食事は最高に美味しく、ワインも本当に美味しかった。 私は普段、ワインはほとんど呑まないのだけれど(専らビール派なので)ベネツィアでは毎回美味しく飲んだ。 毎日の食事と同じくらい、よく飲まれるからなのだろうか、「よそいき」でない「普段着」の美味しさなのだ。 食事をしながら美味しく飲める(しかもお値段手頃な)ワイン、日本にもあったらいいなぁ…(^^;)

 さて、十分過ぎる程の食事をしたにもかかわらず、
    「思い残すことのないように、イタリアでジュエラートと食べたい」
    「残念ながら、食事の最後にデザートがなかったのでジェラートを食べたい」
という人たちがいて、ホテルまでの帰り道にジェラートを食べることになった。 ジェラート屋の屋台に群がる人たち。つたないイタリア語を駆使して買い、歩きながら食べる。思い思いのジェラートを買い、食べて、他の人にも回し、自分も 他の人から回してもらって味見をする。どれが美味しい、どの組み合わせが美味しい、とひとしきり大騒ぎとなる。

 そんなこんなで、私は一つも買わなかったのに 何種類かのジェラートの味見をさせてもらった。食べ終わり 歩いていると、またジェラート屋を発見。ジェラート屋に群がる人たち。つたないイタリア語を……以下同文。
そんなに食べて、みんな大丈夫なの?と聞いても、みんな喜び盛り上がっていて醒める気配がない。もし この先3軒目があったらどうなるんだろう、と不安になったが さすがに夜遅かったので閉店している店が多く、3軒目のジェラート屋はなかった。 ああ、よかった…。

 翌朝、早くからホテルのロビーに集まり、私たちは日本への帰路につく。 バス停まで、10〜15分程歩き、バスで空港まで出る。

 ベネツィアの空港から、フランクフルト経由で日本へ。 短かったけれど、マントヴァ−ベネツィアと充実したイタリア旅行だった。

 様々な場所で歌わせて頂いて(自分達の下手さ加減に げんなりしながらも)良い経験をさせて頂いた。 今後の演奏により良く反映させたいと思う。

 

 そして最後に。
最後まで旅とビールを堪能したのは私たち。(^^;)

フランクフルト空港の乗り換えの間に飲んだ
ヴァイツェンビールが美味しかった!


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